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【えんむすび隊】旧平石小学校の素敵な校舎の活かし方〜わいわい準備編〜


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 5月20日の土曜日、えんむすび隊は廃校となった小学校の校舎の活用について地域の方と一緒にアイデアを考えに土佐町平石地区に行ってきました。

 平成21年をもって廃校となってしまった平石小学校。外壁が桃色でかわいい時計台もあり、木のぬくもりを感じられるとてもおしゃれな校舎です。現在は平石コミュニティーセンターとして校舎の利活用の方法を検討されているそうです。その一つとして毎年6月下旬に地域の方々で「平石アメゴつかみどり大会」を実施。学校のプールでアメゴを飼育し、町内の子供達や保護者の総勢約130人が参加するイベントということで、実施に向け地域の方が一丸となりプールの掃除やアメゴのエサやりなど準備を進めていらっしゃるそう。そこでえんむすび隊はアメゴのいるプールの掃除のお手伝いと、平石地区を楽しくする校舎の活用アイデアを考えに行ってきました。


 9時前に到着したえんむすび隊。今回参加した学生10名のうち9名が土佐町に初めて来たということで、バスの車窓に流れる景色に期待が高まります。桃色の校舎や、プールまでの林道、少し小さめなプールに泳ぐたくさんのアメゴ、優しく話しかけて下さる地域の方々に、学生もいつの間にかリラックスモード。水の冷たさに驚きながらも地域の方と談笑しつつプールの側面についた緑色の苔と格闘しました。


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 プール掃除が一段落し、お昼まで少し時間があるということで、3つのグループに分かれ地域の方に平石地区の案内をして頂きました。赤牛を散歩している道や国指定天然記念物の乳イチョウとそれを守る工夫、道路を埋め尽くすほどの車が訪れたリンゴ園など、その地域に住む人しか知らないようなお話を聞かせていただきました。


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 昼食は地域のお母さん方が作ってくださった土佐町の食材をふんだんに使ったお料理をいただきました。素材の味を活かした美味しくて優しい料理に「体が健康になりそう」と学生たちも大喜び。何度もおかわりをしつつお腹いっぱいになりました。


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 午後からは、料理を作ってくださったお母さん方やプールの掃除を一緒にした地域の方と一緒にワークショップを行いました。まず、旧平石小学校の校区であった三つの地区についてお話を伺った後、校舎の活用について意見を出し合いました。地域として抱えている課題、この校舎に対する想いや願い、一人一人の思いをしっかり聞くことで学生たちの目の色も変わっていきました。

 その後、学生から「試験前の勉強合宿施設」「結婚式場」「ネット依存者のための更生施設」など、様々なアイデアを地域の方に発表させていただきました。
 最後に、昼食の前に学生も一緒に作らせていただいた桜餅をいただいた後、「また来てや」という声に見送られながら土佐町を後にしました。


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 多くの課題を抱えながらも楽しく生活をされている土佐町の方々に学生も多くの学びとパワーをもらえた様子でした。

 お世話になった皆さま、本当にありがとうございました。
 以下に参加した学生の声の一部をご紹介します。是非ご一読ください。

●教育学部学校教育教員養成課程3年女子
 今回は廃校になった旧平石小学校を活用する方法を考えた。私は地域に人を呼び込むためには何か大きなイベントをするということしか思いつかなかったのだが、学校を毎日でなくてもそこそこ利用できればという話で、改めて人を呼び込むのは一時的なイベントだけではいけないのだなと感じた。
 私は地域に人が増えるというのは、その外の人たちが地域に移住してくれるのもそうだし、その地域の子供が外に出て行かずその地域に残るということも考えなければならないと思う。だから子供が外に出て行かないことを考えたときに、やっぱり一番は地域に愛着を持つことだなと思った。
 地域の人々はとてもつながりが強い。それは今回の体験を通じても感じた。そのつながりの強さを活かして、「やっぱり自分はここの地域じゃないとイヤだ」という愛土心っていうのをなんとか学校教育で育んでいけないのかと考えた。

●人文社会科学部人文社会科学科2年女子 
 特にお話を聞いて思ったことは「外の人々を地域に呼び込むよりも、地域の人々が楽しめるようにしたい。」「人を呼び込むよりも外に出て行かざるを得ない若者を食い止める対策をしたい」という考えが強いということです。「地方の「活性化」」=「何かイベントを行ったり施設を活用して人を呼び込む」という考え方だった私は、とても驚きました。また、実際に若者の流出を防ぐために何ができるのか考えてみましたが、就職先が近場になかったり、教育の現場が遠かったりとすぐに解決でき、対策が取れるような問題ではなく、行き詰ってしまいました。私は今まで関わらせていただいていた地域は「その地域の魅力を外へアピールする」ことを大きな活性化策の1つとしていました。しかし、平石地区の方と関わり、「地域住民、その土地で暮らしている人にとっての活性化」も必要なことであり、一口に「地域活性」といっても本当にそのニーズは様々であるということを学びました。

●地域協働学部地域協働学科1年女子 
 地域の方々の「何よりも一番は自分たちが楽しみたいよね。」という言葉が非常に印象に残っています。今回、この地域をお邪魔させていただいて感じたことは住民の皆さんのあたたかさと笑顔、そして助け合いです。これらができているというのは、住民の方たちがそれぞれ廃校の利用法や高齢化の進行という問題を抱えながらも、皆さんが楽しんで生活したいという気持ちが表れているからではないかと感じました。「想いが行動にあらわれる」というのはまさにこのようなことなのではないかと思いました。
 地域の皆さんと廃校の利用についてお話させていただいたとき、午前中までとはまた少し違う、地域の方々の想いを聞かせていただくことができました。今回、平石地域で問題となっているのは、今、日本中の市町村が抱えている問題でもあります。他の地域と差別化してまちを発信していくというのは、ただやりたいという想いだけで成り立つのではなく、資金面や地域の方々の負担なども伴ってくるので、とても難しいことだなと感じました。
 今回が初めて実際の廃校に入ってその地域の方と話すという経験をしたのでとても良い経験になりました。


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