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【えんむすび隊】土佐市高岡の町並みを通して考える、私たちにできること


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2015年2月13日。えんむすび隊は土佐市高岡商店街に伺いました。

高岡は藩政時代に旧中村街道沿いの市場町として栄え、昭和初期には8千人超が暮らし、農産物と豊かな水資源を活かした和紙などの人とモノが活発に行き交う活気あふれる町でした。

ところが近年はご多分に漏れず、商店街はシャッターを下ろしたままの店舗が目立つように。

この日は土佐市商工会さんから頂戴した「高岡の街を元気にするために、一緒に活動を」のミッションを遂行すべく、地元のガイドさんと一緒に高岡の街歩きと翌週から始まるひな祭り会場の清掃、おひなさまの飾りつけ、ぶんたん雛作りをしました。

まち歩きは約20分ほどのコース。高岡の生き字引のようなガイドさんの案内でゆっくりと町並みを散策しました。間口の広さに課税をされたことから入り口は狭く奥に長い高岡の店舗の特徴や仁淀川の清らかな水が引き込まれた井筋と呼ばれる水路など隠れた見所がたくさん。「このお店は大きな雑貨屋で昔はバスの切符を買うお客さんでにぎわっていた。その当時は道幅が今より狭くてね・・・」などガイドさんの記憶の中の高岡と現在の高岡がオーバーラップしてちょっとしたタイムトラベル。

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続いては、ミッション二つ目の空き店舗二軒のお掃除。学生を含め当日の参加者全員で拭き掃除、掃き掃除などを済ませました。その内の一軒は、2003年に閉店した衣料品店。久方ぶりにシャッターを上げ作業をしていると「明るくなっていいね」と声をかけて通り過ぎる町の人も。これには学生も素直にやりがいと喜びを感じていました。

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お昼をはさみ、いよいよおひな様の登場です。地元のおばちゃんたちの知恵を借りながら、七段飾りを全員で飾り付けていきました。仕上がり豪華絢爛で、おばちゃんたちも学生も乙女の笑顔。いつの時代もどの世代もお雛さまにときめく心は同じなのですね。

そして最後のミッションは、土佐市特産の「ぶんたん」を顔に見立てた「ぶんたん雛」づくり。思い思いに顔を描き、空き瓶に色紙や千代紙を蒔いて胴体を作ると世界に一つだけのおひな様が完成!このぶんたん雛も2月21日から3月8日までのひな祭りイベント期間中、展示される予定です。

お世話になった土佐市のみなさん、本当にありがとうございました。

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以下は当日参加した学生の感想です。ぜひご一読ください。

★土佐さきがけプログラム 1年女子 「自分たち学生にしかできないことを考える」
今回、地域にまじり、活動を通して感じたことは、たくさんありますが、その一つに地域に入って学ぶことは多いなあと感じました。普段は年齢層の高い人と活動する機会も少なく、直接地域の方と関わる機会も少ないですが、今回、沢山の人と一緒になって掃除やひな人形作りをすることで、地域活性化をすることの大切さも改めて知りました。また、実際に町を歩かせてもらうことで、現実(シャッターが下りている店の数の多さ、地域の方の優しさ)などを実感することが出来ました。「昔はもっと栄えていた」と聞き、寂しくもなりましたが、同時に自分たちのような学生にしかできないことも多いと思うので、しっかり考えてこの経験を活かしていきたいと思いました。

★土佐さきがけプログラム 1年女子 「地域の人が喜んでくれて嬉しい」
今回のえんむすび隊を通じて、自分が地域のイベントに参加することで少しでも地域が活性化されるのが分かった。地域の人が喜んでくれて、明るくなったと言われた時はとても嬉しかったです。高知は限界集落が多く、高齢化してきているので、地域の関係がとても大切だと思う。だから今回の活動は自分のためにもなったし、地域のためにもなったと思う。これからもこういう活動をしていきたい。今、高知のことについて学ぶ機会が多く、活性化について興味があるので、とても良い経験でした。

★土佐さきがけプログラム 1年女子 「改めて地元・高知を考える」
今回参加してみて、高知県出身であっても知らないことが多くあるんだということに改めて気付くことが出来ました。高知県は人口減少が進んで地域の過疎化が問題であり、その問題解決のために何ができるかを考え、体験できる良い機会でした。普段大学にいると関わりがない地域の方が多とも関わることができ、人の温かさを感じることも出来ました。自分の学びとしては、高知県には何もないとか商店街に活気がないといったことがたまに言われますが、今回私たち学生と地域の人がこういったことを行うだけでも町が明るくなるんじゃないかなと思います。自分の地域を考え、自分の知らなかったことに気づくことが出来る機会でもあるので、こういう機会をどんどん増やしていったらもっと明るい街になっていくと思います。

★農学部2年 女子 「生き生きと生活できる社会にするには?」
商店街の街並みは帯屋町や大橋通りのような商店街ではなくレトロで趣のある素敵な街並みでした。しかし、国道やバイパスなどの大きな道路が出来たことで高岡を通り過ぎる人が多くなったことから商店街がさびしくなるという問題に気づきました。また、大きなど道路に沿って大手量販店が普及し、地域内における経済活動も弱体化していることを知りました。人・物・金の流れが活発になることで便利を手に入れる反面、地方における衰退は地域創生という面から見て課題が残ると思いました。地域の人々が便利に感じるだけでなく、その地で暮らすことで生き生きと生活できる社会になるように、解決策を考える必要があると思いました。

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